恋に目覚めたシンデレラ

「葵さんとあの男のことが気になって慌てていたせいで商談中の相手を待たせっぱなしにして来てしまいました」


「えー!それって、まずいんじゃ……」


「仕事を放りだして来てしまった事は反省してますが。あの電話が来てから気がきではなかったんです」

「電話?」

「お昼ごろあの男が……俺のスマホに沙織さんの携帯から電話してきたんですよ。それで何かあったのかと出たのですが。
以前沙織さんが家に来たときにもしもの時はと思ったので番号を知らせておいたんです」

葵は滉に送ったメールにはお店の名前は入れてなかった事を思い出した。
で矢嶋君はどうして晃さんに電話なんかかけたんだろう……。


「秘書に暫く相手を頼んで指示は出しましたが最後の確認は俺でないと 」

「晃さん直ぐに戻ったほうがいいです」


「そうですね、でもその前にもう一度」

晃さんにまた口づけされた。

「仕事を終えて直ぐに戻ります。それまで大人しく待っていてくださいそれでは行ってきます」

「……行ってらっしゃい」

あわただしく出ていく滉を見送ると

滉に口づけされたばかりの唇に軽く触れ葵は微笑んだ。


今、時間は22時。
晃はまだ帰って来てない。

あれから葵は暫く自分の部屋で過ごしてお風呂も済ませたけど……何となく落ち着かない気分だった。
晃にどんな顔をして逢えばいいのか解らない。


滉とは恋人になった。
でもこれからどうすれば良いのか解らないのだ。
恋人としての接し方など未経験の葵には解らない。

「はぁ……」


このまま寝てしまおうかな。






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