恋に目覚めたシンデレラ
御曹司と一つ屋根の下

「ここは……どこ?私の部屋じゃない」

葵が目覚めると知らない部屋のベッドに寝ていた。
部屋には他に人はいない。
記憶を辿りちょっとづつあったことを思い出してみる事にした。

先ずは……沙織ちゃんと美術館に行った。
それから……あの少女の絵を眺めていたら男の人に声をかけられたんだ。
それから送ってくと言われて車に乗せて貰った。一緒にレストランで食事もしたっけ。


その後は……そうだ黒ぶち眼鏡の人が用事があるからってどこかの建物の中に入って行ったんだ。
その用事が終わったあとに送って貰う事になっていた。
車の中で待っていた記憶まではちゃんとある。


アパートの自分の部屋に送って貰うはずがどうして知らない場所に……。


とりあえず……トイレに行きたい。


セーターと膝丈のスカートはそのままで羽織っていたストールがない。
でも今はストールよりも……。


トイレ探そう。



部屋を出ると続きの部屋があり進んでドアに手をかけて押そうとした。

えっ!

反対側から開き危うく体ごと倒れそうになった。

「おっと……大丈夫ですか?
ちょうど今、起こそうと思っていたところです」


ドアを開けて入って来た人物に支えられてバランスを崩さずにすんだけど……この人は誰?
目の前の男性に覚えはない。




< 9 / 202 >

この作品をシェア

pagetop