現実主義者の美人

一ヶ月後、理久さんが家の両親の結婚の挨拶をしにきてくれた。

スーツ姿でわ有名和菓子店の和菓子を持参して。私の左薬指には

理久さんから頂いた真っ白で大きく美しいダイアが入った婚約指輪が。

親に結婚を報告したら泣いていた。

両親も私の男運の悪さには参っていたのだ。

それも、理久さんのような家柄も見た目も性格も良い方なのだから喜びの涙もけしておかしくはない。

快く同居も許してくれた。

もうすぐ約束の日だ。

イブには高級レストランに呼ばれた。

紫乃「こんばんわ。」

理久「こんばんわ。」

紫乃「どうかなさいましたか?」

理久「約束などをを決めようと思い呼ばせて貰った。」

理久「さすがに契約と言っても、決まったことだけをして一生を終えるのも嫌なので、

楽しんで一生を過ごしたい。紫乃には俺を好きになって貰い、本当の夫婦としていたい。」

紫乃「そんなことしなくてもいいのでは。」

理久「いや、紫乃には俺を好きになって貰う。」

紫乃「何でですか?」

理久「それは、紫乃が俺を好きになってから教える。」

紫乃「でも、そこまで好きになるとは限らない。」

理久「いいんだ。俺がその分努力する。」

紫乃「それではまた今度。今日はありがとうございました。」

理久「それではまた」 カランカラン

あんなこと言われなくても分かってる。

俺はこんなにも紫乃が好きなのに。
愛しているのに。

私なんて会ったときから好きなのに。
理久さんなんて遊ぶかのように・・・私の気も知らないで。

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