藍色の瞳




…………






「いらっしゃいませ〜」






店員の笑顔に迎えられ、待ち合わせ場所である小洒落たカフェに足を踏み入れる






店内を見渡すと、一番奥に目立つ金髪を見つけた






痛みきった髪

根元の色は落ちかけ

セットの仕方もただの“カッコつけ男”にしか見えない






同じ金髪でも可哀想なほどの差ね…






ふと頭に浮かんだ新と比べ、哀れに思えた






「もう来てたんだぁ!待たせちゃってごめんね?」






「よお!
いや、やっと那夏ちゃんとヤレることを考えたらゆっくりなんてしてられないっしょ」






「え〜、じゃあ…もう行こっか?」






「話早ぇーじゃん」






……こちらこそ

私だって早く目的だけ済ませて帰りたいから無駄な時間を取らないのは助かる






……ホテルに行く前にデートを求められてもね?

機嫌を損なわれたら困るから断らないけど、私からしたら面倒この上ない






「ここでいいよな?」






連れてこられたのは極普通の人通りの多い通りに面したホテルで






「いいよ〜」






何の問題もなかったため、そっと腕を絡めつけ笑顔でチャラ男を見上げた












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