私たち暴走族と名乗っていいですか?(上)
1か月くらい経って、男子では俺だけが、女子は宮田だけが先輩と同じ練習をするようになって、他の1年は相変わらず顧問の監視の下で素振りが続けられてる。
「今年顧問代わったから俺らもまだ慣れないんだよ」
「去年の顧問とは正反対だからなぁ」
予想は見事当たってたって先輩の話で実感する。
去年までは結構ゆるくて、1年の指導も2年がしていたらしい。
もしそうだったらやめてたかもなって話を聞きながら思う。
先輩と当っても、結構やれる。
3年の先輩にもあんまり引けを取らないくらいだ。正直2年の先輩は目じゃない。
「メェェェン!!」
ただ、驚いたのはそれが俺だけではなく、宮田にも言えたってことだけど。
あいつ本当にほぼ初心者か?
下手すれば俺とも張り合うくらいだ。
今も3年のエースに1歩も引かないで打ち込みに行ってる。
でも最後には負けてるんだけどな。
きっちり礼儀作法まで済ませた宮田は、試合場を避けて先輩に駆け寄るとまたあのよく通る声で元気に挨拶していて、先輩もそんな宮田を可愛がってるのはよく分かる。
わしわし頭を撫でられてる宮田は嬉しそうに笑って、他の3年の先輩とも楽しそうに話してる。
だけど、そんな状況を面白くないように見てる2年の先輩。
…めんどくさいことにならなきゃいいけど。
視線を逸らし、先輩との練習に意識を集中させた。