初恋泥棒
2人の姿を見ると、チクチクと胸が痛んだ。
……嫌だな、撮りたくない。
そんな事を言えば、怒られるだろうか。
シャッターを押すのに躊躇していると。
「代わる」
「あ、坂下くん…」
代わりに撮影してくれた、坂下くん。
裕翔たちとは、それからすぐに分かれて。
私たちはケータイで弥生ちゃんたちと連絡を取り合い、お昼の集合場所へと向かっていた。
周りは同じ学校の生徒や観光客たちで、賑わっているけれど。
どこか気まずくて、なかなか私は坂下くんに声が掛けられないでいた。
「あいつ、夏木だろ?」
「え?」
話題を振られて、ホッとしたのも束の間。
やっぱり、さっき私の様子が変だったのに、気付いていたようで。
私はまた、俯いたまま答えた。
「うん。裕翔とは、幼馴染なの」
「それだけ?」
「……うん」