夏の嵐と笑わない向日葵
「向日葵、寝れねーのか」
「……うん、暑くて、寝苦しかったから」
あたしは、本当の事を言わずに、夏の暑さのせいにする。
なぜだか、あたしは嵐君を見れない。
だから、その代わりに月を見つめた。
「ずっと、一緒に寝てたし、向日葵が恋しくなって起きたぞ、俺は」
嵐君の言葉は、今までのあたしなら、嬉しくて温かい気持ちになっていたと思う。
だけど……今は、素直に喜べない。
本当に?
本当に、あたしが恋しかった??
ならどうして……愛美さんと寝てたの?
誰でも好かったんじゃ、あたしじゃなくても…。
そんな黒い感情ばかりが沸いてきて、今一言でも言葉を発したら、あたしが悪いのに、嵐君を責めてしまいそうだった。
「なぁら向日葵、聞いてるか??」
「…………」
「無視すんなよ、いつもなら照れて…」
「ごめん、嵐君……」
次々に話しかけてくる嵐君に、ついに耐えられなくなった。気持ちを落ち着けるように、フーッと息をはく。
「ごめん、今は……少し一人にして」
あぁ、言ってしまった。
あたし、嵐君の友達の事、悪くいいたくないのに…。なのに、今なら何でも責めてしまいそうだ。