囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
第12話 弟の誘惑
うう…ヒドイよ、
気持ちがぐちゃぐちゃだ。
まざまざと見せつけられた住む世界の差、婚約者。
極めつけには、当て付けに奪われたファースト・キス。
御主人サマにちょっと親しげにされて、舞い上がった“シモベ” の勘違い。恥ずかしくって情けない。
アノとき感じたシンパシーは、やっぱり間違いだったんだ。
『アイを教える』
だなんてよくもまあ言えたものだ。
笑っちゃう。
あんなヒトと、何もかもが違う別世界の住人と、交わる接点は何もない……
中座したって、もう誰も見咎めることはないだろう。
トボトボとボロ屋に帰りつく。
片方裸足で歩いたから、惨めにも足を怪我してしまった。
すると…
おや?
お部屋にポツリと明かりが付いていた。
「やあ、お邪魔してるよ」
「将馬…サマ?」
コタツに寝転がったまま、翔馬がひらひらと手を振った。
私は慌てて涙を拭った。
全く、兄弟揃ってこの人達は。
「あのねえ、仮にもオトメの部屋に…そういえば、アサダさんがずっと探してましたよ?」
「アハハ…、だからここに隠れてたのさ。ここなら誰にも見つからないから。
それより……どうしたの?ヒドイ有様だけど」
気持ちがぐちゃぐちゃだ。
まざまざと見せつけられた住む世界の差、婚約者。
極めつけには、当て付けに奪われたファースト・キス。
御主人サマにちょっと親しげにされて、舞い上がった“シモベ” の勘違い。恥ずかしくって情けない。
アノとき感じたシンパシーは、やっぱり間違いだったんだ。
『アイを教える』
だなんてよくもまあ言えたものだ。
笑っちゃう。
あんなヒトと、何もかもが違う別世界の住人と、交わる接点は何もない……
中座したって、もう誰も見咎めることはないだろう。
トボトボとボロ屋に帰りつく。
片方裸足で歩いたから、惨めにも足を怪我してしまった。
すると…
おや?
お部屋にポツリと明かりが付いていた。
「やあ、お邪魔してるよ」
「将馬…サマ?」
コタツに寝転がったまま、翔馬がひらひらと手を振った。
私は慌てて涙を拭った。
全く、兄弟揃ってこの人達は。
「あのねえ、仮にもオトメの部屋に…そういえば、アサダさんがずっと探してましたよ?」
「アハハ…、だからここに隠れてたのさ。ここなら誰にも見つからないから。
それより……どうしたの?ヒドイ有様だけど」