囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
「……聞こうか?僕で良ければだけど」

今一番欲しい言葉が、原因の張本人と同じ顔から流れ出る。

2人の顔が重なって

「う、う、うわーーーーん‼」

私は初対面に近いこの人の前で、またもや大泣きしてしまった。



「落ち着いた?」
コクリと私は頷いた。

……彼はとても聞き上手だったから、さっきの出来事やこれまでの事、その他のごちゃまぜを、感情のままにぶつけられた。

ウンウンと頷き、宥めるように聞いてくれる彼に、いつしか私は完全に心を開いていた。

「ふうん、借金ねえ……それで住み込み。珍しいとは思ってたんだよ」

「…ハイ、最低4年はかかるかと」

「4年もここで奉公……ゾッとするなあ」

「う、…そうなんですよ。とんでもないブラックで。お正月の時なんか過労で倒れてね……」

あの時は、カチョーに運んでもらったんだよね。それから私は…

「ハハハ…1500だろ?…中々厳しいね」

「ハイ…」

サスガはこの人も商人の子、頭の中ですぐに算盤を弾く。
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