囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
第14話 藤城課長の嫉妬心
春。

会社は年度変わりの時期。
私は何とか辞めずに会社員2年目に突入できた。
会社とメイドさんの2重生活。

思えば長くて辛い道のりでした。
くぅっ…
まだ終わってないけどね。

 
2月の終わり、私は当社グループの次期総師、今は当課の藤城課長と、何と一線を越えてしまった。


以来、2人の関係は何事も無かったように……ではなく、大きく変化した。


深夜、誰も来ない筈の真っ暗な部屋に、ヒタヒタと足音が聞こえる。

気配を察知した私は、フトンの中で身を固くする。
と、その上からそっと大きな影が覆い被さってくる………


「あのね……カチョー。これっていわゆる“夜這い”じゃないですか」

バサッと掛け布団を上げ、正面の彼を呆れて見上げた。
 
「人聞きの悪い。通い婚とでも言ったらどうだ。ホラ、平安貴族とか中国の王さまがやってたさ……」
彼は優雅に微笑んだ。

モノは言い様、ということか。

「大体、このベッドじゃ2人で寝るの大変じゃないですか。
ご自分のお部屋にはキングサイズのベッドがあるのに、貴方はいつも縮こまって……」

「お前が俺の部屋に来てくれても、俺は構わないんだが…他の奴等に聴かれていいならな」
「ぐっ。し、しかしっ……」

「もう黙れ……お前と喋ってると、ソノ気が失せる」
「んぁ……」
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