囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
第16話 チチキトク
梅雨が明け、カラリと晴れた夏の夜。
未明の時刻、彼の仕事用携帯の1つが、私の部屋の卓袱台の上でビィィィンと震えた。
「……カチョー…鳴ってますよぉ…」
「……ん~…出といて…」
「バカ言わないでくださいよぉ」
起き抜けの目を擦りながら、ユサユサと、甘えた声の彼の半身を揺り起こす。
彼は寝起きがとても悪いのだ。
「…ああ…“家”の方か…」
まだ半分夢の中といった様子で、私に軽く口づけて、彼は電話をピッと押した。
「何だ…どうした。こんな時間に……何、まだ10時?バカっ、こっちは朝の4時だ!
…ん、何?………そうか、分かった」
20分ほどたっただろうか。
再び夢に落ちかけていた私は、今度は彼に揺り起こされた。
「……父が…倒れた」
え……
未明の時刻、彼の仕事用携帯の1つが、私の部屋の卓袱台の上でビィィィンと震えた。
「……カチョー…鳴ってますよぉ…」
「……ん~…出といて…」
「バカ言わないでくださいよぉ」
起き抜けの目を擦りながら、ユサユサと、甘えた声の彼の半身を揺り起こす。
彼は寝起きがとても悪いのだ。
「…ああ…“家”の方か…」
まだ半分夢の中といった様子で、私に軽く口づけて、彼は電話をピッと押した。
「何だ…どうした。こんな時間に……何、まだ10時?バカっ、こっちは朝の4時だ!
…ん、何?………そうか、分かった」
20分ほどたっただろうか。
再び夢に落ちかけていた私は、今度は彼に揺り起こされた。
「……父が…倒れた」
え……