囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
ムキになった私を、彼はハイハイといなし、自分の胸に引き寄せた。
「何も変わらないさ…心配するな。ずっと傍にいろ」
「うん」
彼の手はとても暖かい。
いつ見てもキレイな、細い指を私は両手で握って頬に寄せる……
やがて彼が眠たげに、色っぽい声を耳に寄せた。
「…少し眠ろうか」
毛布をキャビンアテンダントに頼むと、二人の間にそれをかけた。
その下で、彼は私の手を握る。
滑らかな手を握り返すと、彼はフッと眠りに落ちた。
藤城貴彪はもう、出会った頃の “カチョー” じゃなくなってしまう。
私と彼を繋ぐ鎖が
ひとつ切れた。
翌日。
久々に復帰した職場では、大変な騒ぎになっていた。
「知ってた?藤城課長が本社に異動だって……いよいよって事らしい」
「噂じゃ総帥、相当悪いらしいぜ。上層部は隠してるけどさ…」
お陰で私の長期休暇など、話題にものぼらずホッとした。
ついでのように、お局オバチャン、マツヤマさんが、口にしただけだった。
「そういえば、四葉ちゃん大丈夫?盲腸炎だったんだって~~?」
「スッゲーな、今時。やっぱさ……ないの?」
「ち、チラシましたっ!」
『なんとかする』って…
コレかい!
デリカシーゼロの休暇理由に、彼を恨んだ。
「何も変わらないさ…心配するな。ずっと傍にいろ」
「うん」
彼の手はとても暖かい。
いつ見てもキレイな、細い指を私は両手で握って頬に寄せる……
やがて彼が眠たげに、色っぽい声を耳に寄せた。
「…少し眠ろうか」
毛布をキャビンアテンダントに頼むと、二人の間にそれをかけた。
その下で、彼は私の手を握る。
滑らかな手を握り返すと、彼はフッと眠りに落ちた。
藤城貴彪はもう、出会った頃の “カチョー” じゃなくなってしまう。
私と彼を繋ぐ鎖が
ひとつ切れた。
翌日。
久々に復帰した職場では、大変な騒ぎになっていた。
「知ってた?藤城課長が本社に異動だって……いよいよって事らしい」
「噂じゃ総帥、相当悪いらしいぜ。上層部は隠してるけどさ…」
お陰で私の長期休暇など、話題にものぼらずホッとした。
ついでのように、お局オバチャン、マツヤマさんが、口にしただけだった。
「そういえば、四葉ちゃん大丈夫?盲腸炎だったんだって~~?」
「スッゲーな、今時。やっぱさ……ないの?」
「ち、チラシましたっ!」
『なんとかする』って…
コレかい!
デリカシーゼロの休暇理由に、彼を恨んだ。