囚われのサンドリヨン ~御曹司様のご寵愛~【番外編を追加しました】
「それもあるが…1番大事な基準がある。
……別れる時に後腐れが無い事だ。
それでいくと、オマエは凄く面倒くさそうだ」

勝ち誇ったように笑う。

 
私はそこを動けない。 
なんということか。

一瞬で恋に落ち、一瞬でフラれた。

しかし不思議と悲しみは沸いてこなかった。

ただ、ただ悔しい。
それをぶつけた。

「……そんなのって、やっぱりオカシイ。別れるのが前提のお付き合いだなんて…
やっぱり貴方は“ホンモノのアイ”を知らないんです。
でも私は、ずっと好きですからねっ!」

「な、なんだと……」
彼の怒号から逃げるように、私は部屋を飛び出した。
悔し涙が止まらない。

「やあ、美咲ちゃ…あれ?」


途中で将馬様にスレ違ったのも気付かないほどに、私は夢中で廊下を駆けた。

「ふうん……」
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