With you.

いつもの心を落ち着かせる時はお気に入りのコーヒーを飲みながらお気に入りの公園でいつも音楽を聞いていた。

今日もなんだか心が落ち着かず、ちょっとお高めのコーヒーを飲みながらイヤホンを着けようとしていると、
何処からかギターに合せて懐かしいバラードを歌っている声が聞こえてきた。

私はいつの間にかその声のする方へ向かって歩いていた。

そこには、私と同年代位の男の人が弾き語りをしていた。

弾いている曲は、何となく切なくなる様な恋人たちの歌。

ふと、私は口ずさんでいた。

それに気がついたのか、弾き語りの人は私を見つけるとハモらせるかのように私に合わせてきた。

私も私で答えるかの様に声を大きくして、思いっきり歌ったのだった。

拍手が喝采し、弾き語りの人がこちらに向かってきた。


「一緒に歌ってくれてありがとうございます。」

「こちらこそ。勝手に乱入してしまってすみません。」