噂の年下男
案の定、店の客の視線を独り占めすることになった優弥。
「艶?ホンモノ?」
「あの女、彼女?」
そんな声が飛び交い、この場にいることなんて出来なくなって、あたしたちは店を飛び出していた。
優弥はあたしの手を引き、足早に歩く。
あたしも慌てて小走りをするが……
ピンヒールで走ることは無謀だった。
足首を捻ってしまって、思わずよろめく。
「……って……」
そして、しゃがみこんだあたし。
まずい、立ちたいのに立てない。
変な捻り方をしたみたいだ。
こんな間にも、
「艶!?」
「写真撮っていいかなぁ!」
人々が追いかけてきて。
あたしは、優弥を見上げて言った。
「あたしは大丈夫。
……逃げて」