噂の年下男
「……悪かった」
タクシーの中で、ぽつりと優弥が言う。
何を謝っているのだろう。
お姫様抱っこ?
それは許せない。
「あたし、いい見世物だった」
そう言ってやる。
すると、
「嬉しいだろ、俺の女って思われて」
訳のわからないナルシスト発言。
あたしは優弥を睨んでやる。
だけど、黒い中折れ帽を被って、銀色フレームの眼鏡をかけている優弥はやっぱりあたしのツボで。
顔が赤くなるのが分かり、思わず視線を逸らす。
あたしとしたことが、なに男に振り回されてんだろう。
しかも、年下のタイプでもない男に!