噂の年下男






「……いつものままでいい」




あたしは恐る恐る言葉を吐く。

優弥は黙ってあたしを見る。

その顔で見られただけで、やっぱり顔が熱くなってしまう。

優弥の視線を避けるように、おもむろに窓の外を見た。





「明日からは、いつもの優弥でいい。

もう、地味な格好なんてやめて」




あたしの声は静かなのに、胸の中はありえないくらい騒がしい。




「今日みたいな優弥といると……

あたし、おかしくなる」





そうだよ。

このままじゃ、本当に優弥を好きになってしまう。

だけど、いつもの変な服の優弥だと、きっとそんなことはないよね。

また、冷たい目で見ることが出来るよね。





……あたし、優弥を好きになりたくない。

地味でかっこよかったとしても、鬼の俺様男なんて願い下げだ。




< 133 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop