噂の年下男
「……いつものままでいい」
あたしは恐る恐る言葉を吐く。
優弥は黙ってあたしを見る。
その顔で見られただけで、やっぱり顔が熱くなってしまう。
優弥の視線を避けるように、おもむろに窓の外を見た。
「明日からは、いつもの優弥でいい。
もう、地味な格好なんてやめて」
あたしの声は静かなのに、胸の中はありえないくらい騒がしい。
「今日みたいな優弥といると……
あたし、おかしくなる」
そうだよ。
このままじゃ、本当に優弥を好きになってしまう。
だけど、いつもの変な服の優弥だと、きっとそんなことはないよね。
また、冷たい目で見ることが出来るよね。
……あたし、優弥を好きになりたくない。
地味でかっこよかったとしても、鬼の俺様男なんて願い下げだ。