囚われ姫と金と銀の王子
廊下を歩いていると、目の前に鬼の形相をした女が一人。
第二夫人のナザリアだった。
その表情を見た瞬間に、私は咄嗟に身構える。
普段もそんなに穏やかな表情ではないけれど、今回は訳が違う。
見た事もないくらいに怒りのオーラを纏っている。
ナザリアは私を見つけるなり、ドレスの裾を乱暴に靡かせ私の前へとやってくる。
そして、私を睨みながらこう言い放った。
「あなた、一体どんな汚い手を遣って殿下を丸め込んだの?どんなに頑張っても私には靡いてくれなかったのに・・・!!卑しい国の王女はやる事まで卑しいのね!どうしてアンタみたいな下衆な女が正妃になるのよ!!」
ナザリアは下で拳を震わせ、顔を赤くしながら私から目を逸らさずに睨み続けていた。
しかし、どうしてと言われても私にも全くわからない。
そんな事私に聞かれても困る、と言うのが本音だ。
「どうしてって・・・そんなの殿下に聞いたらよろしいじゃないの」
「口答えしないで!益々ムカつく女ね!!あんなに嫌われていたのに、なぜこんな女に私が負けなきゃいけないのよ!!私はずっとこの国の王妃になる事を夢見てきたのに!なんでアンタなんかにその夢をぶち壊されなきゃいけないのよ!!」
今にも殴り掛かりそうな勢いで、そう私に話す。
ナディはそんな状況を察してか、庇うように私とナザリアの前に立った。