囚われ姫と金と銀の王子
「そこをどきなさい!アンタこんな下らない女を庇うっていうの!?」

「恐れながら私はソフィア様の侍女です。ソフィア様に何かあっては一大事ですから!この命に代えてでも私はソフィア様を守ります!!」


ナディはそう言ってナザリアを見据えた。

その表情がさらにナザリアに火を付けてしまう。



「偉そうな口を聞くんじゃないわよ!無能の癖に!!邪魔よ!」



ナザリアは、力一杯にナディを横へ突き飛ばした。

その勢いでナディは壁に激しく身体を打ち付け、そのまま地面に倒れ込んでしまう。



「ナディ!!」


ナディは身体が痛いのか、苦悶の表情を浮かべ小さく唸っている。



ナザリアの行為に、私の頭の中で何かが切れた。


< 118 / 228 >

この作品をシェア

pagetop