囚われ姫と金と銀の王子

「・・・何やってんのよ、アンタ」


私は自らナザリアの目の前に立ち、胸元のドレスの布を乱暴に掴んだ。

そしてナザリアの顔を睨みながら、怒りを込めて話す。


「・・・下等?そんなもん、この国で勝手に決められた位でしょう?同じ人間に下等もなにもないのよ。それにね、ナディが無能ですって?ナディは私の為にしっかり働いてくれるわ、驚くくらいに優秀にね。アンタが無能だからナディと上手くいかなかったのよ。そんな事もわからないなんて、やっぱりアンタは無能ね」


「な、・・・なんですって・・・!?」


「それにもうひとつ無能だって事、教えてあげるわ。アンタがあんな大声出してナディを突き飛ばして、これが周囲に知られない訳がないでしょう?穏便に終わるとでも思っているの?」


と、私が言い終わった瞬間に、私は胸元の布から手を離した。


それと同時にナザリアの身体は2、3人の騎士達によって拘束される。


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