マーガレット
「………………」
部屋にいる全員が息するのを止めたように、微動たりしなかった
だって、こんなの理解できるわけない
ほんの数日前まで笑って過ごしてたのに、いきなり……
優しさに満ち溢れた拓海が、
しっかり者で頼りになる拓海が、
この先目を覚ますかどうかすらわからないなんて……
こんなのウソだよね……?
「…………っく、うぁ」
ずっと我慢してた感情が涙となって溢れてくる
両手で顔を覆い、必死で嗚咽を堪えるけど、そんなことをしてもどうにもならない
だけど、やり場のないこの気持ちをどうすることもできず、ただ泣くことしかできなかった