逆光





「まぁ、死んだら元も子もないしね。一歩ずつしっかりやっていけばいいよ」


一歩ずつ。
しっかり。
総馬は大きなレンズの奥の安国寺の瞳を見た。

ギラギラと、エネルギーが溢れ出ている。
彼女は思い立ったらガンガン進んで、そうやって結果を出してきた人なのだろう。


「君は今、ポスタクでは何をしてるの?」

「え、あぁ。ダイオキシンを使わない除草剤の開発をしています」

「成る程。君はだいぶ頑張ってるんだねぇ」


大変だよねぇ、と同調するように言われた。

安国寺が何を言いたいのかは分かっていた。
バッシングのことだ。
総馬たちの活動が有名になればなるほど、賛同の声と反感の声が大きくなった。





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