イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
興味津々な様子でじっと私を見つめる彼女達に、もうどうにでもなれ、となぜか少しヤケになって口を開く。


「……夜景を見ながら、『やるよ』って指輪渡されて、なんだそのぶっきらぼうな感じは!と思ったら、ハグされて『結婚しよ』って」

「きゃぁ~~♪」


うっすら頬を薄紅色に染めた彼女達から、黄色い声が上がった。

あぁ、言っていて虚しくなるよ……。右隣りでは、早乙女くんと静かに聞き耳を立てていたふみかが、微妙な笑みを浮かべて私を見ているし。

ブラックな部長様、勝手にツンデレ王子に仕上げてしまってすみません。


「何でその指輪しないんですか? 見たいのにな~」


うずうずした様子で言う後輩ちゃんに、私は苦笑いしつつ嘘を重ねる。


「なんか……同じ職場だし、照れ臭くて」


「えー」と残念がりながらも冷やかすような声が上がる中、複雑な心境になりまくる私。流し込むお酒の量も着々と増やしていると、今度は男子陣が話しかけてくる。


「でも坂本さん、よくあのブラック上司を選びましたね」


冷静に言うのは、たしか総務部の子。眼鏡をかけたインテリちっくな男子だ。

その隣で頷いているのは、同じ営業部の、容姿も性格もいたって平凡な田中くん。

ふたりは口々に部長との苦い思い出を話し出す。

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