イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
振り向けば、購買部で一緒だった後輩の女子と、彼女の同期らしき男女三人が私のすぐそばに迫ってくるものだから、少しギョッとする。


「ど、どうしたの?」

「坂本さん、結婚したって本当なんですか!?」


後輩の女の子が興奮気味に言い、私はギクリとして部長の方に黒目だけを動かした。しかし、上座に座っていたはずの彼の姿は、今そこにはない。

お手洗いにでも行っているのかな。そんな呑気なことをしている間に、どんどん事が大きくなっていきますよ、部長……。

でも、今この場で違うなんて言えるわけがない私に残された選択肢は、ただひとつ。


「あー……う、ん」

「おめでとうございます~!!」


思い切って頷くと、後輩達の拍手喝采を浴びた。あぁ、背徳感に苛まれる……。

気まずくて、とりあえずビールをゴクゴクと喉に流し込むけれど、彼女達の尋問は終わらない。


「やっぱり、プロポーズは部長からだったんですよね?」

「ずっと聞いてみたかったんです、部長はどんなふうに口説くのか!」


それね、気になるよね……。私だって、イケメンが結婚したら同じことを思うもん。と、なんだか他人事のように思う。

ここはもう、いつか部長が言っていたように、少女趣味全開の理想のプロポーズを語ってしまえ!

< 179 / 320 >

この作品をシェア

pagetop