イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
「歯止め効かなかった。……さっきから気持ち抑えてたってのに」


もう我慢できそうになくなっちまったじゃねーか。

次第に慣れてきた目に映る表情は悩ましげで、すっかり“女”の顔になっているし。無意識なんだろうが、そんなふうにされるとどうにかしてやりたくなるのが男の性ってもんだ。

……いや、違うか。こんな気持ちになるのは、相手が一葉だからだ。


「……落ちてくれますか?」と再度問い掛けられ、こんな時にいたずら心が顔を出して茶化してしまったが、正直なことも言っておかなければ。

汚れのないビー玉みたいな、愛おしい瞳を見つめて。


「お前なら、一生可愛がってやれそうだ」


そう。純粋で、頑張り屋で、ひたむきな姿に惚れた一葉なら。

無条件でずっと一緒にいたいと思える──。


再び唇を近付け、驚く彼女の顔はすぐに見えなくなった。抵抗するでもなく、俺のキスを必死に受け止めるように、ぎゅっとしがみついてくるこいつが可愛くて仕方ない。

さっきまでの葛藤はどこへやら、溢れてくる想いを止めることができず、欲望のままに彼女を求めていた。

このまま、すべて俺のものにしてしまおうか──

そんな自分勝手な考えに侵されそうになった瞬間、それは待てと言わんばかりに、スマホが震え始める。

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