イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
軽い調子で問い掛けられて、図星を指された私はギクリとする。

当たり前じゃないですか!と返したいところだけど。好きっていうのがバレバレにならないよう、「……ちょっと」と、そっけなく微妙に答えておいた。


「意地っ張りだな、お前は」


クスッと笑ってそう言う部長様は、もう私の気持ちに気付いているのかもしれないけどね。

少し赤くなっているだろう顔を窓の方へ向けると、部長はこんなことを言う。


「それはそうと、これからはいい加減名前で呼べよ」


あぁ、そうか。家族と会うのだから“部長”はおかしいよね。

本当に婚約者のフリをするつもりなんだな……と思いつつ、「了解です」と返事をする。


「あと、勝手に余計なこと言うなよ。お前は俺の言うことに頷いてりゃいいから」

「はぁ……」


相変わらず主導権を握る彼の思惑はさっぱり読めなくて、私は曖昧に頷いた。

でも、きっとこの人は後先考えずに行動するようなタイプではない。とりあえず言う通りにしておこう。

その代わりに、部長の頭と心の中は、後でたっぷりと見せてもらうんだから。

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