イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
「このままどうにかしたくなる」

「それはやめてください!」


ギョッとする彼女に笑いをこぼし、ふっくらとした唇に軽いキスを落とす。


「このくらいはいいだろ」


いたずらっぽく口角を上げてみせると、一葉はぷっと吹き出した。そして俺を見上げ、こんなことを言う。


「……最初は、女除けのために奥さんを演じるなんて信じられない!って思ったけど、零士さんがそんなことしてくれなかったら、きっとこんなに幸せな今はなかったですよね。結局、私にとっては超ラッキーでした」


俺達の妙な関係が始まった頃を思い出すように遠い目をした後、一葉は無邪気に笑った。

……そうか、こいつは俺が気まぐれで偽装夫婦を始めたと思っているのか。本当の理由は、まだはっきり話していなかったからな。


もう半年以上前、バーで一葉と会った、あの夜を思い出す。


『口は悪いけど、本当はあったかーい人なんれすね……』


ベッドに寝転がってそう言った彼女の言葉には、実は続きがある。眠りに落ちる寸前、ふにゃりと笑ってこう呟いたのだ。


『私は好きれすよ……そういう人』


トクン、と胸が鳴ったのは久々だった。

酔っ払いの言葉なんて、本音なのかそうでないのかわからないというのに。なぜか、彼女の言葉は信じてみたくなる。

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