イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
俺はあっという間に眠りに落ちた一葉の隣に腰掛け、あどけない寝顔を見つめて呟いた。


『……俺も、お前みたいなバカは嫌いじゃないな』


くーくーと眠る彼女の頬にそっと触れた俺の表情は、自然と柔らかくなっていた。



あの時は気付かなかった。自分でもわからないほどわずかに、俺にはあの瞬間から恋が芽吹いていたのだと、今になって思う。

そうでなければ、偽装夫婦なんて面倒なことをできるわけがないのだから。


──俺達の今があるのは必然だ。始めは小さかった芽が、こんなにも大きく育っただけ。

偽りの関係に感化されて、たまたま愛が生まれたわけじゃない。決して。


「零士さん。こんな私のことを好きになって……結婚してくれて、ありがとうございます」


ふわりと微笑む姫君には、今日も心をじんわりと温かくさせられる。

俺が惹かれたこの素直さは、ずっと変わらないでいてほしい。いつまでも、このドレスのように白く清いままで。

とろけるような視線を絡ませ、甘い言葉を紡ぐ。


「……こちらこそ。これからも愛させてくれよ」


そうして、再び唇を寄せようとしたところで時間切れ。戻ってきたプランナーから顔を背け、一葉は赤面していた。

……この可愛さにやられている場合じゃないな。

本物の結婚生活は、まだ始まったばかりなのだから。





  *+☆+*Happy end*+☆+*


< 319 / 320 >

この作品をシェア

pagetop