イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
「ここだと音がうるさいから、向こうの倉庫に行こう」と言って、栄さんはさっさと厨房から離れる。後に続いて、レストランの裏手にある物置のようなところへ向かった。
私は営業部の前は購買部にいて、取引先からの受注業務をしていた。だから、だいたいの商品のことはわかるけど、やっぱり不安。
「あの、私まだ営業部に来たばかりなので、きちんとお答えできるかわからないんですが……」
促されて先に薄暗い中へ入った私は、もわんとした空気に纏われながら、栄さんを振り返った。
すると、さっきと同じはずなのに、どこかうさん臭さを感じる笑顔の彼が言う。
「大丈夫大丈夫。僕が聞きたいのは坂本さんのことだから」
「えっ?」
なんですと?
目を点にする私を見たまま、栄さんは後ろ手でガシャンとドアを閉めた。
その瞬間に悟った危険。熱気とともに閉じ込められ、暑いはずなのに血の気が一気に引いていく。
「君……すごく可愛いね。彼氏いるの?」
ニタリと笑う栄さんだけど、目は笑っていない。
一歩足を前に出されて、同じ距離を取るように私も一歩足を引く。
「か、彼氏は……いません、けど……」
「そうなんだ。それはラッキーだなぁ」
き……気持ち悪っ! ヒヒッ、って笑い声が聞こえてきそうな顔してる!
私は営業部の前は購買部にいて、取引先からの受注業務をしていた。だから、だいたいの商品のことはわかるけど、やっぱり不安。
「あの、私まだ営業部に来たばかりなので、きちんとお答えできるかわからないんですが……」
促されて先に薄暗い中へ入った私は、もわんとした空気に纏われながら、栄さんを振り返った。
すると、さっきと同じはずなのに、どこかうさん臭さを感じる笑顔の彼が言う。
「大丈夫大丈夫。僕が聞きたいのは坂本さんのことだから」
「えっ?」
なんですと?
目を点にする私を見たまま、栄さんは後ろ手でガシャンとドアを閉めた。
その瞬間に悟った危険。熱気とともに閉じ込められ、暑いはずなのに血の気が一気に引いていく。
「君……すごく可愛いね。彼氏いるの?」
ニタリと笑う栄さんだけど、目は笑っていない。
一歩足を前に出されて、同じ距離を取るように私も一歩足を引く。
「か、彼氏は……いません、けど……」
「そうなんだ。それはラッキーだなぁ」
き……気持ち悪っ! ヒヒッ、って笑い声が聞こえてきそうな顔してる!