イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
何で……どうしてここにいるの?

ピンチを救ってもらえてほっとするものの、私の頭は軽くパニクっている。

栄さんも驚きと動揺を隠せていないけれど、歪んだ笑みを張り付けて適当なことを言う。


「な、何のことだね? 僕は、彼女に商品のことを聞こうと……」

「まぁ、誘いたくなるのはわかります。彼女、可愛いですからね」


栄さんの言葉をまったく聞いていない部長は、とんでもない発言をする。

けれど、驚くのは早かった。

栄さんと私の間にずいっと割り込んだ彼は、突然私の肩に手を回した。

ギョッとして肩をすくめる私を、斜めに流した長めの前髪から覗く切れ長の瞳で見下ろし、色気のある笑みを見せる。


「ですが、人のモノには手を出さないでいただきたい。このコは、私の妻なので」

「つ……妻!?」


すっとんきょうな声を上げる栄さん。私も同じことを心の中で叫んでいた。


妻って!! 私達はそんな関係じゃ……

と、否定しかけたものの、「な?」と同意を求められた私は、ぎこちなく頷いていた。

ここは緊急事態だもの、この人の言う通りにして切り抜けないと!

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