ゆえん


瞳さんはアルバムを抱えたままの状態で発見された。

煙を大量に吸って、そのまま倒れたのだ。

楓は十八歳の若さで、家族を失った。



楓は孤独に押し潰されそうになっている。

俺はどうしても、楓の傍を離れるわけにはいかない。

今、俺たちは絶対に離れてはいけないと思った。


「一緒に東京に行くか」


俺が訊くと、楓は大きく頷いた。




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