ニコル
寄生・・・誕生・・・
プルルル・・・、プルルル・・・。

 給食準備室に、もう一度、着信音が響いた。
 ハヤテはその着信音が消える前に、携帯を取り出そうと必死で鍋の下に手を伸ばしていた。
 ―――届けぇ。
 右手が攣るんじゃないかと思うくらいに思い切り手を伸ばしていた。指先が携帯のストラップにかかった。指を少しずつ動かしストラップを手繰った。

プルルル・・・、プルルル・・・。

着信音はまだ鳴っていた。
 ハヤテは必死だった。
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