キミのコドウがきこえる。
翔太の必死さに、大太鼓を叩くことを渋っている私自身がなんだかばかばかしくなってきて、私は翔太の差し出してきた右手にそっと手を伸ばし握った。
私に右手を握られた瞬間「え!?いいの!?」と、翔太が頭を起こして、大きな二重の目をさらに見開いて見つめてきた。
「いいよ」
「やったー!ありがとうナル!」
翔太は、私の握った手に自分の左手も合わせてぎゅうっと力強く握った。
「そんな……大袈裟だなあ」
翔太と私が熱い握手を交わしていた瞬間、襖がガラリと空いて、見覚えのある姿が私の目に飛び込んできた。
「ちょっと……二人でいったい何してるの!?」
「あれ?成美ちゃん、なんでここに?」
私の目に飛び込んできたのは、妹の成美だった。
「お姉ちゃんが花竜に行ったってお兄ちゃんに聞いて……花竜って翔太さんが住んでる家でもあるし、もしかしたら一緒にいるかなって。やっぱり当たってた……」
「え?翔太、ここに住んでるの?」
「あ、うん、そうそう。ここの二階学生たちに貸してる下宿になってるんだ。晩御飯も美味しいの出るし、学生じゃないけど、無理言っておいてもらってるんだ」