キミのコドウがきこえる。
「何で?別に翔太が怒るようなこと、私してないよ?」
「してるよ。だって、ナル俺に隠し事してる」
「隠し事って……私も翔太もいい大人なんだし、昔みたいになんでも話せるわけじゃないでしょ?」
「俺は嫌だね。ナルに隠し事されるの」
翔太は唇を尖らせながら拗ねたような表情をした。
「ははっ……何、その顔。子どもみたい」
「……馬鹿にしてる?」
「……ごめん……さっきね、泣いちゃったのは、翔太が羨ましかったからだよ。さっきも思ったけど、翔太変わらないんだもん。昔も今も頑張ってる翔太は目がきらきらしててさ。それに比べて私は、会社も潰れて……都会でずっと頑張ってきたけれどそれだけで。叶えたい夢も何もないんだなと思ったらなんだか泣けてきちゃってさ」
「じゃあ、なおさら一緒に大太鼓叩こうよ」
「やっぱり、そこに辿りつくんだね」
どこまでも一直線な考え方の翔太に、私の心の中にあった塊が、やんわりと溶けていくような気がした。
「まずは大太鼓の復活!俺の今の夢は、ナルと一緒に大太鼓を叩くこと。一緒の夢じゃダメ?」
翔太は、真剣な眼差しで私を見つめてきた。
黙っている私にしびれを切らしたかのように、翔太は「お願いします!」と言って、私に頭を下げながら右手を差し出した。