キミのコドウがきこえる。

お昼ご飯を翔太と一緒に私のお店で食べた後、食堂の昼の営業が終わるまで居間で待っていると、疲れ果てた仁成兄ちゃんが戸を重たそうに開けて店から入ってきた。



「二人そろってどうしたんだ?正座なんかして」



仁成兄ちゃんは、姿勢を正して座る私たちを見て眉間に皺を寄せた。



「お父さんかと思って……」



「俺だったらどうしたっていうんだ」



仁成兄ちゃんの後ろから体の大きなお父さんがぬっとあらわれて、頭に巻いていたタオルを外すと腰が痛いのか、腰の当たりを手で押さえながら居間に入ってきた。



「あっ……えっと……話があって!」



「話?」



お父さんは、私の言葉を聞いてちょっぴりだけ動きを止めたかと思うと、台所の方へ行ってしまった。


翔太は立ち上がってお父さんの後ろを追った。

私も翔太と一緒にお父さんの元へ行くと、翔太が先に口を開いてくれた。



「山本さん!前にもご相談させてもらってたんですが……俺、成子さんと太鼓を一緒に叩くことになりました」



お父さんは冷蔵庫の扉を開けて、冷蔵庫の中から500ミリリットルのウーロン茶を取り出すと、表情一つ変えずにグビグビと飲み干し、飲み干した後に「そうか」とだけ一言ぽつりと言った。


前にもって……翔太、この話お父さんにしたことあるんだ……。


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