キミのコドウがきこえる。

「お父さん……あのね、私もう一度チャレンジしてみたいの。だから、お父さんが使ってた太鼓のバチ貸してもらえないかな?」



「……俺のは、樫の木でできたバチだから、重いぞ」



「そうなの?それって女の私にはやっぱりきついの」



「きついさ。バチも太いし、お前の手の大きさならすぐ疲れてしまうぞ」



不思議な感覚だった。私とお父さん……普通に話せてる。



「そっか……」



でも、お父さんの話にどう答えていいか分からず、太鼓を叩く名人のお父さんが言っている言葉を信じるしかなかった。

お父さんのバチ、使いたかったな……。

私が、お父さんの言葉を聞いて諦めてうなだれていると、ぼそりと思いがけない言葉が耳の中にするりと入ってきた。



「……お前専用のバチ。作ってもらっておくから」



「え!?」



「作っている人、隣町の人だから頼んでおく。仁成、トラックの鍵持って一緒に来い」



「おう」



「母さんは仕込み頼んだぞ」



私たちの会話を居間でにこにこと聞いていたお母さんが、父の言葉にこくんと頷いた。

分かってましたよとでも言いたいような、穏やかな表情だった。


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