キミのコドウがきこえる。

「みんな知ってたなんて……私ずっと意地張ってバカみたいじゃん」



「ナルのお父さんは、きっとナルは大太鼓叩くってずっと信じてたよ」



「太鼓のバチもね、実はずっと前からもう頼んでるの。たぶん、今日は完成したのを持ってくると思うわよ」



お母さんはにこにこしながらお店に戻っていった。



「よしっ。それじゃあ、お父さんも味方につけたことだしこれから忙しくなるぞ。覚悟はできてるか?」



翔太は、私に向かってグーにした手を差し出した。

私はその手に向かって自分のグーにした手をこつんと当てた。



「これ懐かしい。小学校の時、大太鼓の練習の前に必ずこれやってたよね」



「確か、アニメでこういうのやってて真似したんじゃなかったけ?」



「ははっ。あの頃の私たちって単純だったよね。でも……」



私は、コツンと当てた自分の手が熱を帯びてくるのをじわりと感じていた。

何も感じなかった私の日常が、今日から変わる。



「ねえ、翔太。翔太も私が大太鼓絶対叩くって信じてたでしょ?」



「信じてたよ。だって、ナルは俺より大太鼓好きだったじゃん」



翔太は、居間に飾られている大太鼓と叩くお父さんの写真をじっとみながら「カッコいいもんな」と呟いた。


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