キミのコドウがきこえる。
きらきらとした少年のような瞳で、お父さんの写真を見ている翔太を見ていたら、小学校の頃の熱く燃えていた気持ちがふつふつとお腹の底から湧いてくるような気がした。
その熱とともに、私は黄色いバックの内ポケットに入れていたお守りの存在を思い出した。
もう一度―――――!
私は二階に駆け上がって、黄色いバックの中からお守りを出すと、そのままの勢いのまま階段を降りて、翔太にそれを突き出した。
「翔太、これもらって」
「お守り?」
「そう」
翔太は私の親指と人差し指で挟まれた小さなお守りを手に取って表や裏をまじまじと見た。
「これ手作り?」
「ごめん……それ、私が小学校の時に作ったのだから不格好でしょ?」
「小学校の時に?」
「うん。本当は発表会の日に翔太に渡そうと思ってたんだけど……渡せなかったから」
「……これ、ずっと持っててくれたの?」
「うん……」
「ありがとう。大事にする」
翔太はそう言って私の頭を照れ臭そうにわしゃわしゃと撫でると、そのお守りをワイシャツの胸ポケットに閉まって、ポケットの上から右手でポンとお守りを叩くと、「ありがとう」と優しく微笑んだ。