キミのコドウがきこえる。
あの不愛想な父を『和ちゃん』と呼ぶくらいだから、二人は仲が良いとは思っていたが、正反対の性格だから全く想像ができずにいた。
だが、今の西村さんの姿から、きっと実直な性格なところが合うんだろうなと腑に落ちた。
「今日の夜からまた練習スタートするんだろう?」
「はい。もっと早く取りかかれば良かったのですが」
「大丈夫だよ、和ちゃんの娘なんだから」
「西村さん、その言葉決まり文句のように言っていますが、私太鼓は小学校以来なんですよ?父のように出来るとは」
「だあああああい丈夫だよ!」
西村さんは、ビールをぐいっと飲み干した後の表情みたいに目をぎゅっと閉じながら私の言葉をせき止め、逆に自分の口から言葉を吐き出させた後、子どものようににかっと笑った。
「成子ちゃんは、太鼓の音聞くと、なんだかうきうきしてこないかい?」
「まあ、そうですね。祭りだって感じがしてうきうきします」
「そうだろう?太鼓の音っていうのは、地域の祭りやなんかで聞きなれてるから日本人の身体にしみ込んでるんだよ。まして成子ちゃんは小さい頃和ちゃんの太鼓を聞いてたんだ。叩けるさ」
