なみだ雨
つぎの日にはすっかりよくなっていた。
ふすまを開けると、
常連さんがちゃぶ台のそばで、
毛布をかぶって寝ている。
常連さんの布団でずっと寝てたのだと、
今更になって申し訳なく思う。
はるかは布団を持ってきて
毛布の上に重ねた。
「ん…」
瞼を開けて腕時計を見る。
6時。
仕事には充分間に合う時間だ。
と、同時に自分の上に
布団がかけられていることに気がつく。
目をこすりながら
起き上がってちゃぶ台を見ると、
『お世話になりました』
という置き手紙と、
お皿に盛られた卵焼きが
ラップをして置いてあった。
出ていったのか…、
なんとなく寂しい気持ちを堪えつつ、
着替えるために立ち上がった。