なみだ雨
いい匂いがしてきた。
はるかは邪魔にならないように、
横じゃなく後ろから練の
手の先を見る。
「オムライスすきなんですか?」
そう聞きながら振り向いた。
はるかはいつの間にか、
練のプルオーバーに着替えている。
肩よりすこし長めの髪を
オールバックで一つに結んでいる。
なんとなく見入ってしまった。
「母がよく作ってくれたんです」
はるかはそれだけ言うと、
また練の手元を見た。
「料理できるんですね」
炒めたたまねぎの匂いが辺りに立ち込める。
「一応、調理師免許もってるんで」
「え!ほんと!すごい!!」
はるかの反応にびっくりした。
そんな凄いことだろうか。
練は止まった手を動かした。