なみだ雨





ちゃぶ台に向かい合って座って。

練から受け取ったスプーンで、

はるかは1口たべた。



美味しかった。

とても美味しかった。


思い返してみれば、

最後にオムライスを食べたのは

6歳の誕生日だった。



夜9時を回っても帰ってこなくて。

電話をかけてみても出なくて。

何かあったのかと心配だったはずの母は

「遅いねー」と言いながら楽しそうに

洗濯物を畳んでいた。




結局オムライスは二人で食べた。

父の分はラップをかけてちゃぶ台に

置いておく。

帰ってきたらすぐ食べれるように。



父のオムライスは、

冷蔵庫に移されて、

二日後には捨てたんだ。




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