なみだ雨




「おかえり、はるか」

頭上から声がして、はるかは頭を上げる。



あれ、元気そう。

なんだかほっとしていると、

頬に強烈な痛みが走る。


「お前、どこ行ってた」

はるかの髪の毛を掴みあげ、投げ飛ばす。


「痛いっ!」

思わず叫んでしまう。

それがどれだけ逆効果か。

おじさんははるかの頬を軽く叩きながら

馬乗りになった。


口を覆われる。


「随分と反抗するようになってきたじゃねぇか」

おじさんはそう言うと服の上から胸を揉む。


やめて、

やめて!


やめて!!!


どんなに叫ぼうとしても

おじさんの手がそれを許さない。



はるかは無意識のうちに、

練を思い出していた。



風邪の看病をしてもらった時。

大福を一緒に食べた時。

ご飯を一緒に作った時。

翔太と鍋を囲んだ時。

練と翔太がじゃれてるのを見守ってる時。

練の笑顔。

練に全部話した時の悲しそうな顔。

練と一緒に過ごした数日間が、

とても遠い記憶のように思えた。




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