なみだ雨
はるかの自宅の目の前に、車が止まった。
終始無言のドライブだった。
行きたくない、でも行かないといけない
行かせたくない、でも、行かせたくない
練はギアをPにいれる。
はるかがシートベルトを外した音がして
あぁ、もう、終わりか…
そう思った。
「お世話になりました」
はるかはそう言って、合鍵を差し出す。
しぶしぶと言った手つきで受け取る。
何も言わない練。
はるかは車から降りた。
運転席側に回って、頭を下げる。
上がった顔は涙で濡れていた。
ドクンと、心臓が大きく打つ。
鷲掴みにされているように痛い。
いいのかこれで。
これでいいのか、俺。
昨日の夜からずっと思ってきたこの思いに
ついに終止符を打たなければいけない
そんな時に、
俺はまだ決心がついていなくて。
でも、はるかはもう、
玄関の前に立っていて
鍵を開けてドアを開けると、
もうそこにははるかの姿はなかった。