なみだ雨





終わった。

初めてのことだった。

下腹部がじんじんと痛い。

おじさんが辛そうな顔で

はるかの上から退いた。

殴られて口の中が鉄臭い。


「そこにいろ」


上がった呼吸を整えながら

おじさんは冷たく言い放つと、

裸のままシャワーを浴びに行った。



はるかは体を起こして乱れた服を整える。

しばらくして、シャワーの音が聞こえた。

自然と涙が溢れてきた。


側にあった荷物を持って、

がくがくと震える膝を無理矢理立たせ、

玄関まで走った。


「おい、まて!!」


おじさんの叫び声が聞こえた。

はるかは靴も履かず、外に飛び出した。




外は土砂降りだった。

冷たい雨の中、はるかは走った。




コートを着る余裕はなかった。





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