なみだ雨
練のコートを羽織らせてもらう。
遠慮はしたが、寒そうだからと
半ば強引に着させられた。
パーカーについた鼻水は
大して気にしていない様。
練はゆっくりとはるかの歩幅に合わせて
大通りを歩いた。
繋いだ手がきゅんきゅんと痛痒い。
でも暖かくて、離したくないとおもった。
繋がれた手を見ながらはるかは歩いた。
お店の前につくともう暖簾はしまわれていて9時過ぎたことがわかる。
練がちょっと躊躇したのを無理矢理引っ張って中に入る。
更衣室は電気がついていた。
練の手を離して引き戸を開ける。
着替え終わった理子が荷物を整理していた。
「すみませんで…」
「はいこれ。誕生日プレゼント」
はるかの声を遮って箱を差し出した。
中を見ると、急須とお茶っ葉。
え?っと聞くと、理子ははるかの肩を
軽く叩いてお疲れ様〜と鍵を渡した。
更衣室を出ると、練がいて。
「がんばれ」
と囁くように言うと、その場を離れた。
何を頑張るのか、よくわからないまま
突っ立っていると、
はるかが顔を出してきた。
「中どうぞ」