掠めた星屑。



ただ、彼女の夜空を見上げた横顔と、誤魔化すように曖昧に笑った顔が、今でも僕の瞼の裏に焼き付いていて。泣きたくなって、僕はそのたび、空を見上げる。

彼女が好きだと言った、星を探して。



『私、生まれ変わるなら、星になりたいなぁ』

そう冗談とも本気ともつかないことを、いつだか彼女は僕に言った。

『...そうしたら、僕ら会えないじゃん』

彼女のそんな言葉に、不満気に返した僕に、

『そっかぁ、それじゃあ嫌だね。』

と、彼女はとても楽しそうに笑っていた。




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