その瞳をこっちに向けて


「なら、やることは1つよ!」

「な、何?」


自棄に目をキラキラと輝かせている鈴菜に、恐る恐るそう訊く私の心臓は不安感からバクバクと大きな音をたてている。


というのも、やることと言うのは、さっきも言っていた『ぶつける』っていうやつの事なのだろう。


それに対しての不安感が半端ないのだ。



鈴菜のお陰で、この気持ちを受け入れるしかないということは分かった。でも、でもだ。流石に、じゃあ好きって告白しに行こう!ってのは絶対無理。



 不安一色に塗り固められている私の前で、ふふんっと意気揚々に鼻を鳴らす鈴菜。そして、ピンッと立てた人差し指を私に向けた。


「自分を売り込む事よ!」

「う、売り込む?」


告白…ではなくて売り込み。


 思っていた答えと違った事に少しホッとするも、私の頭の中を『はてな』が飛び交う。そんな私の状態に気付いた鈴菜が「つまり」と話を続けた。

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