その瞳をこっちに向けて
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あれから一週間が経ったが、彼女になって変わったという事は特にない。強いて言えば、また中畑先輩が放課後に私の教室まで迎えに来る様になった事くらいだ。
でも、それが凄く嬉しかったりするのは、私が中畑先輩の事を相当好きだからなんだと思う。
だから今だって自分で中畑先輩の教室に行ってもいいのに、中畑先輩が私を呼びに来るのを待ってる。
鈴菜と話しながらも心ここにあらず。手には既に鞄を握っていて。心の中では今か今かとそわそわしている。勿論、鈴菜もそんな私の気持ちを分かっていて、話しながらもクスクスと笑われる始末だ。
そんな時、待ちに待った声が教室内に響いた。
「工藤。行くぞ!」
後ろの開いたドアの前に立ち、窓側の席に居る私へと視線を向ける彼の姿に頬が緩む。と、共に勢いよくその場に立ち上がる。
「あっ、はい!」
待っていてくれている彼の側へと駆け寄って行くその後ろで、鈴菜がため息混じりに「幸せそうでなによりだわ」と呟いたのが聞こえた。