その瞳をこっちに向けて
その事に体育委員が小さくため息を吐くと、私にとってはとんでもない爆弾を投下した。
「いないようなので、あみだクジで決めようと思いますので、脇坂さん以外の女子は全員前に来て下さい」
あみだクジっ!!
たった1つの選択で地獄に落ちるかもしれない恐ろしいシステムじゃないですかっ!!
震える指先を掌の中に包み込みながら、前へと向かう人の流れに乗る。そして、今しがた体育委員が書いたあみだクジの1つに1人ずつ名前を記入していく。
私の目の前にやってきたあみだの線。
名前を書ける場所はまだ半分以上ある。右を攻めるか左にするか。それとも真ん中を狙うか。
ここは敢えて真ん中を狙う!
と、とりゃあああぁぁぁぁぁあ!!
全力で挑んで名前を書いた真ん中。数分後、そこは絶望の場所へと変わった。
唯一1つだけ赤丸に辿り着く場所にあったのは、私の名前で。
「マジ……」
「おめでとう。工藤さん」
笑顔でそう言ってくる体育委員がムカつく。